OPE cloud VR

導入事例

【事例紹介】当事者視点で共感度アップ!杏林大学保健学部看護学科看護学専攻で「認知症」をテーマにしたVR授業が行われました

【事例紹介】当事者視点で共感度アップ!杏林大学保健学部看護学科看護学専攻で「認知症」をテーマにしたVR授業が行われました
2022年10月26日(水)、ジョリーグッドが提供する医療教育プラットフォーム「オペクラウドVR」を導入した杏林大学(東京都三鷹市、学長 渡邊卓)にて、保健学部看護学科看護学専攻の学生100名を対象に、認知症をテーマにしたVR授業が行われました。看護学生は認知症の当事者視点で撮影されたVR映像と、通常の2D映像を両方視聴し、それぞれの違いから感じた気づきをワークシートに記入し、グループワークでディスカッションすることで認知症患者の生活の質・尊厳を尊重したケアについて学びました。


VR授業は杏林大学三鷹キャンパス内(東京都三鷹市)の医学部講義棟Aで行われました。


杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 高齢者看護学研究室の坂井志麻教授が講師を務め、認知症をテーマに90分の授業が行われました。





VR映像を見て、各場面で自分が認知症の当事者だったらどのような気持ちになるか、家族、近所の人・お店の人、地域包括支援センター職員の立場を想定して、どのような支援やサポート、行動ができるか、またどのようなサポートやネットワークがあると認知症の人が住み慣れた地域で暮らしを継続できると思うかをワークシートに記入後、グループワークでディスカッションを行いました。


坂井教授のファシリテートのもと、学生はグループディスカッションの結果を発表。VR映像から得た気づきをまとめていきました。

VR授業 実施後の声


坂井教授:
VRによって学生達が認知症高齢者の世界をリアルに体感することができ、主体的にVRのストーリーに引き込まれていくのを感じました。周囲の環境や関わりにより、当事者の立場でどのような気持ちになるかを体感することにつながったと思います。老年看護学ではその人らしさや強みに着目し、高齢者への尊厳をもったかかわりを大切にしています。そのため、支援者の目線でケアを考えるのではなく、当事者の目線で対象理解を深め、専門的な知識をもって認知症高齢者のもてる力を引き出す看護者育成を狙いとしています。当事者理解を促進するVR教材とディスカッションは、地域共生社会に向けたコミュニティ形成の発想を育む重要なツールとなると考えます。今回は大きなトラブルなく経過しましたが、HMDによる視聴で気分不快が生じることがあるため、コンテンツの時間を短時間で体験できるプログラム構成にしていきたいです。

受講生A:
VR技術によって認知症当事者の立場になって周りの人の接し方を体感することができました。今回のVR体験授業では、優しさ、思いやりの大切さと、認知症の人が見ている世界、感じていることを学ぶことができました。

受講生B:
人生で初めてVRを体験しました。想像以上にすごかったです。手やボタンを使って操作しないことにも驚きました。目線を合わせるだけで操作ができ、簡単だったので、手が不自由な方でも簡単に使えると思いました。映像では、正面に映っている風景以外の部分も見えることに驚きました。

受講生C:
2Dの映像を見て考えるよりも実際にVRで体験することで、リアルさが増し、思考の幅が広がったように感じました。今まであまり認知症について深く考えたことはありませんでしたが、今回を機に少し周りを見て、近くに認知症の方を見かけたら、否定せずに優しく声をかけて助けようと思いました。

受講生D:
VRによって360度見ることができて、自分が実際にその場にいるように感じることができました。周りの人の声かけが異なるだけでこんなに感じ方が変わるんだと驚きました。

受講生E:
普通に映像を見るよりも当事者の視点に立って物事を捉えられ、感情の変化を実感しやすく面白かったです。非常に良い体験になりました。当事者の周囲の人のちょっとした反応や表情、言動で傷つくということがわかったし、その反面当事者について理解しようと努力したり、受け止めて寄り添おうとしている姿勢(責めたりしない態度)があることによって、安心感を与えたり孤独や不安の解消につながるのだということがわかりました。

総括


杏林大学保健学部看護学科看護学専攻でのVR授業では、認知症の当事者視点のVRを体験することにより、より共感度が上がり、授業およびグループワークへの積極的な参加姿勢を感じることができました。
ジョリーグッドは、今後も体験学習コンテンツの拡充を図るとともにVR遠隔臨床学習プラットフォームの完成を目指してまいります。

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